サラリーマンでもできる確定申告での節税対策 〜医療費控除・住宅ローン減税・ふるさと納税まるわかり〜

FP情報

今年の確定申告はコロナの影響で例年と違い4月15日が期限です。医療費控除住宅ローン減税ふるさと納税の3つの節税について解説します。まだ確定申告に行っていない方や、今年住宅ローンを組み来年の確定申告をしなければいけない方は是非参考にしてみてください。

確定申告が必要な人

サラリーマンであれば、確定申告をしたことがない方は多いと思います。サラリーマンであれば、会社で年末調整を行うため基本的には確定申告の必要がありません。それでは、確定申告をしなければいけないのはどういう方々なのかをまず説明します。

・個人事業主で、事業収入がある人(所得が48万円以上ある方)
・不動産収入や株取引での所得がある人(NISAなどの非課税投資枠内での投資だった場合は不要)
・一時所得がある人(競馬や宝くじなどの賞金が、収入を得るために支出した金額+特別控除額(最高50万円)よりも大きい方)
・退職所得があり、退職所得の受給に関する申告書を提出していない人
・所得税の猶予を受けている人

上記に該当する方は確定申告が必要になります。

節税のために確定申告した方がいい人もいます

絶対に確定申告をしなければいけないわけではありませんが、節税して払っていた税金が戻ることもあります。そのために確定申告をしにいく方がお得な方はどのような方か説明します。

医療費が10万円を超えた方
ふるさと納税をした方
住宅ローンを組んだ方

この3つのどれかに該当した場合は、確定申告をすることで節税することができます
どのようにして、節税ができるのか、組み合わせることができるのかを解説していきます。

医療費が10万円を超えた方の節税

医療費が10万円を超えた方の節税から解説をしていきます。医療費控除とは、支払った医療費に応じて税金を計算し直すというものです。つまり、税金に関わる課税所得から10万円を超えた医療費の額を引くことができるということです。

控除金額の計算方法

【医療費控除額(上限200万円)】=【医療費(保険金で補填された額を除く)】-【10万円】 

上記が医療費控除の金額の計算式です。
式の中にあるように上限金額は200万円です。「保険金で補填される額を除く」というのは、生命保険の入院給付金や、健康保険で支払われる高額療養費出産育児一時金などのことをいいます。

【疑問】医療費10万円なんていくの?

医療費控除は、確定申告をする年の1月1日から12月31日までに支払った医療費が対象となり、本人以外にも、生計を同一にする家族の分もまとめて申告することが可能です。
生計が同一であれば、同居の必要性はありません。一人暮らしをしの大学生の子供や単身赴任の父親の医療費も医療費控除対象の対象にできます。

具体的に医療費になるものを一覧にして載せておきます。

  1. 病院での診療費/治療費/入院費
  2. 医師の処方箋をもとに購入した医薬品の費用
  3. 治療に必要な松葉杖など、医療器具の購入費用
  4. 通院に必要な交通費
  5. 歯の治療費(保険適用外の費用を含む)
  6. 子供の歯列矯正費用
  7. 治療のためのリハビリ/マッサージ費用
  8. 介護保険の対象となる介護費用

直接的なものではなくとも医療費に含まれています。
さらに、薬局で購入した風邪薬などの市販薬は医療費控除の対象となる場合があります。
妊娠・出産では、定期健診や検査、出産や入院にかかる費用、不妊治療費なども対象となります。

控除を受けるのに必要なもの

医療費控除を申請するときに必要なものは、病院や薬局の領収証、レシート類です。
その領収証やレシートを元に、「医療費控除の明細書【内訳書】 」を記入して確定申告の会場に持っていけば申請が完了です。

ふるさと納税をした方の節税

ふるさと納税については知名度も高いため、知っている方も多いと思いますが「ワンストップ特例制度を利用した場合」と「確定申告をした場合」に違いがあります。控除金額については、同額ですが内訳が変わってきます。

ワンストップ特例制度を利用した場合

医療費控除やこの後説明する住宅ローンで確定申告をする方は、ワンストップ特例制度の利用ができないので注意してください。
年末調整を行ない自分で確定申告をしない方が「ふるさと納税」を行った場合、年末調整ではふるさと納税の控除は受けられないため、別に控除の手続きを行う必要があります。その煩雑な確定申告手続きをせずに、ふるさと納税の控除を受けることができるのがワンストップ特例制度」です。

以下の条件に当てはまる場合に利用が可能です。
・1年間のふるさと納税の申し込み先が5自治体以下であること
・もともと確定申告や住民税申告をする必要のない給与所得者等であること
・ふるさと納税以外に確定申告をするものがない方(確定申告不要の方 )

ワンストップ特例制度での控除は、「住民税」からのみの控除です

確定申告をした場合

確定申告をした場合の控除は、「所得税」と「住民税」からの控除になります。
まず「所得税」の部分の控除に関しては、「所得控除」になるます。つまり、課税所得からの控除となるということです。
ですので、所得税の税率が10%の方が10,000円のふるさと納税をした場合については
還付金(戻ってくる額)=「ふるさと納税額-2,000円」×「所得税の税率」を元に計算すると、
(10,000円ー2,000円)×10%=800円となります。
注意して欲しい点は、次年度の「住民税」を決める「課税所得」で8,000円控除を受けている点です。

次に、「住民税」の部分に関しては 、「税額控除」になります。つまり、税金から直接控除となるということです。「住民税」の控除は、「基本分」と「特例分」に分けられています。
計算式は、
住民税からの控除(基本分)=(ふるさと納税額ー2,000円)×10%
住民税からの控除(特例分)=(ふるさと納税額ー2,000円)×(100%ー10%(基本分)ー所得税の税率)です。
トータルすると、ワンストップ特例制度と同額になります。

住宅ローンを組んだ方の節税

住宅ローンを組むと、「住宅借入金等特別控除」を受けることができます。合計所得金額3,000万円以下の個人が、一定の住宅ローンを利用して住宅を新築または取得、あるいは増改築した場合に利用できる制度です。
住宅ローンの年末残高(12月31日時点の住宅ローンの残高)の1%相当額が、最大40万円をその年に納税した所得税から控除されます。所得税から引き切れない額がある場合は、所得税の課税総所得金額の7%を限度として最大136,500円が住民税からも控除することができます。

「住宅借入金等特別控除」を受ける条件
・取得又は増改築をした日から6か月以内に住むこと
・取得した住宅又は増改築後の家屋の床面積の2分の1以上が居住用であること
・中古住宅の場合、耐火建築は築後25年以内、耐火建築物以外のものについては、同20年以内であること
借入金は償還期間が10年以上の割賦償還であること
・配偶者のほか特定の親族や特殊な関係のある法人からの取得でないこと
・前年と前々年に居住用財産を譲渡した場合の特例を受けていないこと(平成11年以降の買換えによる譲渡損失の繰越控除の特例は併用が認められます)

3つの節税は可能なのか

結論からいうと可能です。
控除の金額が、所得税+住民税を超えてしまう場合に関してはフルで控除を受けられないことがありますが「ふるさと納税」で調整をすることで損なく節税ができるようです。

架空の人物で概算します

例:年収400万円/医療費20万円/ふるさと納税3.2万円/住宅ローン残高1,500万円
給与所得=400万円 ー(400万円×20%+44万円)= 276万円
基本の所得控除=110万円(社会保険控除や基礎控除)
課税所得=276万円ー110万円=166万円
所得税:83,000円/翌年住民税:166,000円
ここまでが節税をしていなかった場合の金額になります。
節税した場合は下記のようになります。
所得控除=110万円(基本分)+10万円(医療費控除)3万円(ふるさと納税)=123万円
課税所得=276万円ー123万円=153万円
所得税:76,500円/翌年住民税153,000円
この時点で差額が19,500円出ています。さらにここから「税額控除」を計算に入れます。

ふるさと納税分
住民税からの控除(基本分)=(32,000円ー2,000円)×10%=3,000円
住民税からの控除(特例分)=(32,000円ー2,000円)×(100%ー10%ー5%)=25,500円
合計28,500円

住宅ローン分
住宅借入金等特別控除額=1,500万円×1%=150,000円

この2つを税金から引くことができます。
まず、所得税から住宅借入金等特別控除額を引きます。
76,500円ー150,000円=-73,500円となります。つまり、73,500円分残ることになります。
残りの金額とふるさと納税の控除額を合わせて住民税から引きます。
153,000円ー(73,500円+28,500円)=51,000円
結果、所得税:0円/翌年住民税:51,000円になります。
節税を何もしていない時と比べると198,000円の節税になります。

住宅借入金等特別控除に関しては、住宅購入をしなければ適用されませんが「医療費控除」「ふるさと納税」はできると思いますので是非やってみてはいかがでしょうか。
収入に応じて「ふるさと納税」は上限金額がありますので、下記サイトで自分の上限金額を把握した上で「ふるさと納税」をして損をしないようにするのがオススメです。
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