医療・福祉で働く 〜介護老人保健施設〜

仕事探し

前回は、公的施設の中の「特別養護老人ホーム」についての紹介を投稿しましたが、今回は同じ公的施設でも目的の異なる「介護老人保険施設」の『老健』についての解説です。どのような施設なのかに加え、老健で働きたいと考える人と、老健で働くのを避けたいと考える人の実際に担当した求職者の話を紹介していきます。

介護老人保健施設とは

「老健」と呼ばれるこの施設形態は、在宅復帰を目指す施設形態です。リハビリや医療ケアを受けて今までの暮らし方に戻れるようにしていく介護サービスです。目的が在宅復帰のため、「特養」のような『終の棲家』としてではないので、3〜6ヶ月の入居期間を前提にされています。
入居できる方も、介護度3以上ではなく介護度1の方からの入居が可能です。
働いている方も違いがあります。介護職員の配置基準は入居者3人当たり1人と変わりませんが、医師が入居者100人に対し1人以上常勤でいなければいけません。さらに、リハビリのスタッフとして理学療法士作業療法士言語聴覚士の資格を持った人を1人以上配置しなければいけません。最も数字で違いが出るのは、看護師です。特養は100人に対し3人以上の配置ですが、老健では7人に対し2人以上という配置基準になっているんです。ちなみに、介護施設での看護師に転職を考える方は特養だと夜勤がないところが多いです。



老健の実情はどうなのか

実際に老健で師長をしている看護師さんや、主任として働いている介護職員さんの話を聞くと、入居から3〜6ヶ月で退去できる方はそこまで多くないとのこと。介護度も重度の方が多く特養と変わらない状況になってしまっている部分が正直なところある。なので、在宅復帰を目指し施設形態ではあるが看取りをすることも出てくるとのこと。医療ケアをすると言っても、医療の設備も病院から比べると劣っているため、できる処置も限られてしまう。下記の表は、どこから入居してきて、どこに退去していったかを表している。

【出典】介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成28年度調査)「介護老人保健施設における施設の目的を踏まえたサービスの適正な提供体制等に関する調査研究事業」

表を見てもらうと、「本人の家等」があるがこの中にも介護の施設が含まれているので、実際に本人の家の戻れているのかははっきりと見ることができない。入居元「本人の家等」が34.9%から退去先「本人の家等」で36.6%と、1.7%の改善が見られるように見えるが、結果的に介護施設に入っている方もいるので改善と言えるのかは定かではない。



老健で働くのは

年間200名近い介護職員の転職希望を聞いてきた中で、老健で働きたいと考える介護職員と働きたくない介護職員にはわかりやすい特徴がある。
1点目は介護度の重さについてである。介護度1以上で入れるという条件ではあるが、介護職で経験がある方は老健の介護度が重いことを知っているケースが多いのである。
2点目は、看護師が多く24時間体制でいることが多いという点である。
上記の2点で、働きたいか働きたくないかが分かれてしまう。介護度の重さに関しては、(プラス要素)幅広い介助を必要とする方が多いので、しっかりとした介助業務のノウハウを学ぶことができる反面、(マイナス要素体の負担がどうしても重くなってしまう。次に、就業している看護師が多いことについては、(プラス要素)医療の知識をもつ病院での経験もある看護師がいると何かあったときに安心して頼ることができるが、(マイナス要素看護師が単純に怖い。この看護師が怖いというのは結構あり、病院での看護助手の経験がある方と、以前にも看護師のいる施設で働いていた方がよく仰います。



どうして看護師が怖いの?

色々な方の話を聞くと、この怖いという意見の大半は看護師に対する偏見のように感じることが多かったです。意見をまとめると「看護師になる人って気が強い人が多いから怖い」です。そんなに都合よく同じ性格の人は集まらないので安心して下さい。次に、上から物事を言われて否定されているように感じてしまうとのことです。これも「看護師でしょフィルター」を通して聞いているのでそのような感覚になっていることもあると思います。ただ、看護師の方から聞く話では何も根拠を持たない経験則のみで、前回同じような状態を見たことあるから、こう対応してましたというのが怖く、医療的根拠を元に話をすることがあると上からに聞こえているのかもと言ってました。介護の経験が長い方は、ずっとやっていたことを間違いと否定されてしまっているように感じるのでしょう。

終わりに

今回は老健についての紹介をしました。次回はグループホームの紹介をしていきます。
医療・福祉に特化した人材紹介・派遣の仕事をしている中で様々施設を見せてもらえる機会がありますが自分の親戚が入ることになる施設には、おばあちゃんの知恵袋のような経験則での介護をしてしまっているところではなく、しっかりとした研修制度が整っていて一つ一つに根拠を持った介護をしているところにしたいなと常々思わされてしまいます。



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